中途採用の看護師の指導ナビ

医療施設が、看護人材育成に対する取り組みをすることによって、
看護サービスの質や維持、向上を図ることができます。

 

また、人材確保戦略という部分で
組織の重要な経営戦略になります。

 

そこで、新卒看護師と共に、中途採用看護師は、
人材確保に欠かすことのできないものとしての存在意識を増しています。

 

看護部門では、4月採用の新卒看護師が圧倒的な主流となっています。

 

ですから、新卒看護師と異なる採用者は、
中途採用看護師・経験者という表現で「イレギュラー」に扱われる人材となります。

 

そして、「経験があるのだから」ということで、
夜勤専従など、即戦力としての活躍を期待してしまうのですが、
4月採用の新卒看護師という枠から外れてしまうため、
現場適応のためのプログラムもほとんどなく、
うまくやっていけるかどうかも本人任せとなってしまっています。

 

日本における雇用のあり方は、
看護職に限らず1990年代ごろから大きく形を変えています。

 

従来は、100%に近かった企業の正社員比率が、
現在では70%以下に落ち込んでいます。
そして、即戦力となる人材を、
派遣社員やパート従業員に切り替えることによって、
人件費を抑え経営の効率化を限界まで推し進めている状況です。

 

その結果、目先の利益と効率性だけを追いかけ、
本質的な人材育成は後回しになってしまっています。

 

そのような組織は、働く人の疲弊と組織の弱体化に陥っていますね。

 

組織に人を育てる力がなければ、
底辺から組織を支える人材はやがていなくなり、
組織そのものが衰退していくことは目に見えています。

 

現在、多くの企業は、正社員、派遣社員、パート従業員といった
働き方の違いを超えて、
人を育てることができる組織、
人が育つ現場を作ること肉親しています。

 

一般企業は、厳しい環境にありますが、
生き残るために「即戦力の確保」から「共に働く人を育てる」ということへの
転換を図っています。

 

このように組織のありかたを転換することは、
今後の看護職にとっても欠かすことができません。

 

看護の組織でも、「共に働く人を育てる」ことが大切で、
中途採用の看護師を指導していくことが必要です。

 

しかし、中途採用の看護師は教育しにくい・・・という現場の声があるようです。

経験年数や年齢は指導を難しくする?

多くの看護現場では、
新卒の看護師とは違って、
経験者の指導は簡単にはいかない、
中途採用看護師は、個性や能力がさまざまで、
基本的な教育スケジュールが対応できない、
経験年数や年齢が高い場合もあり、
指導そのものが難しいなどの意見があります。

 

そして、現実的にも中途採用看護師の育成に関しては、
中途採用看護師は新卒看護師と比べると
職務経験がバラバラで、個性が多様なので、
人くくりに考えて指導してもうまくいかないということがあります。

 

経験や能力がさまざまな中途採用看護師に対して、
その個別の特性を細やかに査定し、
スムーズに組織へ適応してもらうようにするには、
受け入れ側の力量が問われます。

 

看護師を中途採用するためには、
中途採用の看護師への要求を提示するばかりでなく、
個人の望むライフスタイルや将来設計を含めた
仕事に対するいろいろな欲求を知ることからはじめなければなりません。

 

そのような面倒なことはできないというのであれば、
最初から中途採用看護師の育成はあきらめるべきかもしれません。

 

組織への定着は、本人の意向を無視していたのでは
絶対に成立することはないでしょう。

 

受け入れ側の欲求を一方的に突きつける方式では、
中途採用看護師に限らず、
いずれは多くの看護師がその組織を離れていくと思われます。

 

さまざまな背景と価値観を持つ中途採用看護師の特性を的確につかむためには、
まず既成概念にとらわれることがあってはいけません。

 

相手の情報を、問口の広い考え方によって把握することが必要です。

 

中途採用看護師とはいっても、
その人それぞれ異なります。

 

どれだけの看護実践能力を持っているのか、
どのような専門領域に興味があるのかを知ること、
そして、単に看護に関連した情報だけでなく、
どのように働きたいのか、
どのようなライフスタイルを大切にしたいのかなど、
働き方についての考えも一人ひとり違うということを認識しておくことが必要です。

 

さらに、この施設で看護師として働くことが、
その人の何を実現することにつながるのかを、
お互い認め合うことも必要です。

看護師を中途採用するには

看護師を中途採用するためには、
多様な背景と価値観を持つ中途採用看護師の特性を
適正につかむことが大切です。

 

看護師としての経験や専門領域を知るだけでは、
中途採用看護師の採用は決定できません。

 

中途採用に応募してくる看護師は、
それぞれが経験を持ち、専門性を持ち、目標を持っていることでしょう。

 

受け入れる側は、仕事で自分の能力を高めながら、
同時に家庭や趣味などでも充実した時間を過ごしたい人、
仕事よりも私生活の充実を最も大切にしたい人、
何がしたいのかがわからず悩み続けている人、
認定看護師資格取得といった明確な目標のために新しい職場を選ぶ人など、
経験を重ねた人材であるからこそ増す多様さに応えていくことが必要です。

 

それぞれの個性を認め、
実際の職場でそれに応えるかかわりを実現することで、
看護師の中途採用がうまくいきます。